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Wednesday, September 30, 2009

素敵な英語作文の教本: "Elements of Style"


”The Elements of Style(スタイルの要素)”、という本をご存知ですか?スタイル、といっても、ファッションについて綴ってあるわけではありません。これ、かなり古典的な、英作文のルールを記した本なのです。(英文の書き方の事を、’スタイル’ と呼ぶ事もあるのです。)作者の一人、E.B. White は、”シャーロットのおくりもの” などを書いた作家です。彼が自分の大学時の英作文の先生と一緒に、最も大切な英作文のルールを書き記したのがこの薄っぺらい本です。一番大切なルールは、「出来るだけ少ない語数で、使えるべきことを伝える事」。それにのっとり、彼らの記述はストレートかつ簡潔です。


Do you know "The Elements of Style" by W. Strunk and E.B. White? It is a book, but not one on fashion. It is a classic rule book on how to (or how not to) write in English. E.B. White is a well known writer, who wrote works like "Charlotte's Web." He made this rather thin, condensed book with his former writing teacher. It is straight to the point, following the most important rule of the book: you should use as few words as necessary to convey your message.


古典といわれるだけあり、刊行されてかなり経ちます(1918年初版)。それ故になのか、この本のルールに反対するひとも多いのですが、この「簡潔の掟」だけは、今日でも大抵賛成されるようです。私も、英語で物を書く時は、いつもこれを心がけろようにしています。ええ、心がけどまりなのですが...


It is a classic book, which means old (published first in 1918), and many disagree with rules mentioned in the book today. But the conciseness rule holds pretty well. I always try to meet that requirement when I write in English... Well, I do try, you know...


個人的には、数年前に発売されたイラストレーション付きが、お勧めです。素敵な イラストレーター Maira Kalman さんが、カラフルでかわいらしいイラストを、いろいろな例文にそって本中に散りばめてくれました。彼女については、そのうちにポストを書くつもりなのですが、興味かあったらサイトをお訪ねください。彼女の参加によって、本が堅苦しさをなくして、もっともっとユーモラスになったような気がします。

I particularly like the version accompanied by the illustrations by Maira Kalman. She is an amazing illustrator, whom I will surely introduce in future post (but if you are interested, please check out her website!). The book became much more whimsical and humorous with her lovely and colorful paintings.

Saturday, July 4, 2009

Kazuo Ishiguro

カズオ イシグロは、大好きな著者です。初めて『日の名残り』を手に取った時、最初から最後まで本を置く事なく一気読みしてしまいました。最後の30ページでは、涙が出て出て困りました。大きなお屋敷で執事をしていた男が時代にとり残されていき、人生の“晩”になってからあまりにも盲目に流されて生きてきた事に気付く、というちょっと聞いた所暗そうなお話ですが、これが描写が優しく丁寧で、読ませてくれます。現実的で説得力があり、誰もがいつかは感じるだろうという軽い絶望感を、さらりとしたためてあります。

He is one of my favorite writers. When I first read “The Remains of the Day,” I could not stop reading. In one go I finished it, and I am not embarrassed to admit that I was crying in the last 30 pages. It is a story of a man who realizes that he did not really live his life to the fullest – he did not make decisions and take responsibility for his life, when he is in his ‘evening’ years of his life. It may sound depressing, but so beautifully told and so real – similar experiences can happen to everyone.


日本で生まれたようですが、幼年の頃からずっとイギリス在住らしいです。物を描くのは、英語でのみのようで、日本語には訳されています。私は、この人の英語個人的に大好きです。流れるように響いて、読みやすいです。

The author was born in Japan, but lived in UK most of his life. I don’t think he writes in Japanese (at least publicly). His English flows so well – one of the easiest writers to read in English for me.


この話、ハリウッドが映画化もしました。でも、豪華キャストの割に(アンソニー ホプキンスとエマトンプソン主演)いまいちだったような...イシグロさんならではのユーモアを忘れて、重くなりすぎていたような気がします。あれがあるからこそ、キャラクターにも味が出たし、読むのをやめられなかったわけなのですよね。

The story was adapted to a film script. Despite great casts like Anthony Hopkins and Emma Thompson, the movie didn’t quite work for me. Lost the humors of Kazuo Ishiguro, which made the hero a lot more interesting to know and the book so enjoyable to read.

Sunday, June 21, 2009

A creative visual blog : 3191

アメリカの両端、3191マイルも離れた、オレゴンとメインの偶然に同じ名前の町に住んでいる二人の親友が、すてきな写真ブログを続けています。毎朝一枚の写真を撮り、それを並べて載せる、それだけの事かもしれないけれど、結果はこのうえなく日常の小さな美しさに溢れた目にも心にも優しいページとなっています。二人ともアーティストのことだけあり、写真もきれいです。一年続けてから、翌年は毎晩に企画変更しました。

Two friends living 3191 miles apart - in towns of the same name (Portland) in two opposite sides of the big country USA - decided to take one picture in every morning and posted it in this original blog. They are both artists, and they capture the small beauty of everyday scenes. They continued this project for one year and then did an evening version next year.


朝写真の選りすぐりを集めた、本も出版されました。只今アマゾンでオーダーして待ちに待っている所です。夕方写真を集めた本も、この夏発表とか。(本の情報は、こちらのページで:朝本夕本。)

The selected morning pictures were collected in a visual book. I am just waiting for it to arrive from Amazon now. Their evening picture book is coming out this summer. (Please click the links here for the information pages of the morning and evening picture books.)

今は、不定期に、好きなときに日常を映して新しいブログ、3191 Miles Apartを更新しているようです。是非お尋ねあれ。

Now they continue with a less structured format and update little slices of their lives. Still, the blog, 3191 Miles Apart, is charming and worth regular visits!

Sunday, April 5, 2009

Book: Evolution



かの圧倒的な古生物学博物館を観た後、ミュージアム ショップでこの本を見つけました。このうえなくすてきな写真集です。骨格標本を集めていた一階の展示を、ぎゅっと一冊の本にしたような。とてもきれいな写真に溢れ、静かに説得力がある本です。

After seeing the amazing display of the paleontology museum, I came across with this book in the museum store. This is a wonderful coffee table book. It is like a tour through the first floor of the museum in one book! Beautiful and quietly persuasive.

この本についてもっと知りたい場合、すぐ後のハイライトされている部分をクリックしてください。アマゾンのこの本のページに繋がります。

If you like more information about the book, please click the highlight below, which is linked to the Amazon.com page of the book.

Saturday, January 10, 2009

Ernst Haeckel's "Art Forms in Nature"


私の生業は生物学者です。生物学は、物理学や数学と比べて’ソフト’なサイエンスだと言われます。どういう意味でソフトなのか、その理由の一つはきっと、主観が入りやすい事だと思います。客観が最も大切な科学のなかでは、異色というか、異端というか、半端になってしまう。特に、視覚的データが多い分野では、観ようと思っている事しか見えない解析でのジレンマが横行しています。ありのままを、すべてに注意を払って観察するのは、簡単なようで実はとても難しい。時間もいるし、忍耐もいるし、自分の仮説も何もかも忘れてただひたすら観る、被写体への興味と敬意がなくてはできないのです。


そんな観察能力は、速さとインパクトを求めてやまない今の生物学の風潮では、残念ながらまったくと言っていいほど軽んじられているのですが...でも、定説を覆すようなほんとに面白い仕事には、偏見や前提かまわずの観察がきっかけとなったケースが多いのも確かです。


丁寧にものを観る力、それをひしひしと感じるのは、Ernst Haeckel (エルンスト ヘッケル:1834−1919)の観察記録です。比較解剖学の研究で、いろいろな動物や植物の器官を記録していくうちに、進化(種の発達)と発生(個体の発達)が似ている事に気がつきました。それがいわゆる ”反復説(個体発生は系統発生と同様の過程をたどる:ontogeny recapitulates phylogeny)"というやつです。今でもそうと知られず中学校の教科書にも出てきたりするこの説は、実はずいぶんと長い間ダブーと見なされています。なんでも、この説を通したくて、ついつい(?)観察が偏ってしまったとか (下の図参照ー胎児の発生過程があまりにも魚っぽすぎます)。偽造の疑惑をかけられてしまいました。ヘッケルほど観る力があってこうなのだから、大抵の生物学者がどれほど危ういかは想像できると思います。


ちなみに、このタブーに、間違えている所をきちんとただしたうえで再び日の光を当てたのは、若き日の Stephen Jay Gould(スティーブン ジェイ グールド:1941−2002)です。この一般向けのエッセイなどでも有名な進化学者は、まだ駆け出しの頃大著 "Ontogeny and Phylogeny" をしたため、反復説を半分否定したものの、個体発生と系統発生(平たく言うと、成長と進化ですね)には強い繋がりがある事を改めて提唱しました。大抵の同僚は、初めは『止めとけ、自殺行為だ』といっていたそうですが、頭ごなしに否定していると見失ってしまう明確な繋がりに、グールドの目を通して気がついたのです。

思い込みって、怖いですね。研究でも、日々の生活でも、気をつけていきたいです。

ちなみに、ヘッケルの画集、 "Art Forms in Nature" はこの上なく美しいです。自然愛好家のみなさん、是非ご覧あれ。