Saturday, January 31, 2009

GAP Boyfriend Khaki コマーシャル

2007年のギャップ のコマーシャルです。Boyfriend Khaki といって、ボーイッシュスタイル の カーキ パンツの宣伝でした。俳優のクレア デーンズ と パトリック ウィルソンが、「あなたの出来る事、私はもっと上手に出来る、あなたの着てる物、私はもっと上手に着られる」という曲に会わせて、ブロードウェイ ミュージカル風に踊っています。なかなかぴったりで、思わず、うまい!

Tuesday, January 27, 2009

映画 ”Butch Cassidy and the Sundance Kid”


好きな俳優はと訊かれればためらいなく Paul Newman!と答えるようになってずいぶん経ちますが、”Butch Cassidy and the Sundance Kid” を初めて見たのはつい最近の事です。そう、最愛なるポールさんが亡くなり、追悼集中視聴会を催していたときのこと。(ただ何作か集中してみたという事です、ご心配なく!笑)
感想は:とてもおもしろくて、びっくりしました。

Paul Newman と Robert Redford が、実在した西部の荒くれ者コンビ、ブッチとサンダンスを演じます。二人ともすごく楽しそうだし、息もぴったり。シリアスでいながら、ユーモアが散りばめられていて、西部劇なのに、コメディーのようで、独自のジャンルを築いています。西部劇を初めて崩した当時としてはスキャンダラスな作品、ときいたことがあるような。


主演の二人は、その後何度も共演し、ハリウッドでも有名な友人コンビになったらしい。(でも、そのやり取りは、結構過激にドライで、ああ、男の友情...)二人にとって、この映画がどれほど特別だったのかは、それぞれが立ち上げたチャリティーの名前をこの映画にちなんでいる事からもよくわかります。(Paul Newman が始めた末期がん患者の子供たちのキャンプ施設は、Hole in the Wall、 と、ブッチたちのギャングの名称で呼ばれ、 Robert Redford は、インディペンデント映画祭を始め、Sundance と名付けました。)

これ、1969年作、つまり40年前の映画なんです。信じられないくらい、今見ても新鮮です。お勧めです!

Monday, January 26, 2009

絵を描くぞう

いえ、これから絵を描きます、と、宣言してるわけではなく、絵を描いてしまうゾウさんがいる、という話です。
タイはチェンマイで旅行者の人気者らしいです。ちょっと、これはいろんな意味ですごいです。
少し長いですが、どうぞ。



ゾウは賢いと言いますが、いや、ほんとに。

"Air Tap!" by Eric Mongrain

エアー タップとは、ギターのフィンガーボードで弦を弾く奏法です。指ではじくようです。そうすると、普通にじゃかじゃか弾くのとはちょっとちがった、丸みのある音がでます。ちょうど、ハープのような。

こちらは、エアー タップで名の知れた Eric Mongrain 氏の演奏です。

Saturday, January 24, 2009

アムステルダムの自転車


アムステルダム、というより、多分オランダ全土で、旅行者が気づく事その一といえば、自転車なのではないでしょうか。
ドイツともフランスとも違う独自のユニークさがあります。まず、がっちりしてて丈夫そう。ママチャリを1.5倍ぐらいの強度にしたような、シティーバイクなのに、ちょっとしたオフロードもいけそうな頼もしさがあります。サイズも大きめです。



そして、なにより前半分がおもしろい。ハンドルの大きさも印象的ですが(ハーレー デヴィッドソンのバイクのようです)、どうやら何かを乗っけるのは後ろじゃなくて前みたいなんです。



お店の配達用の自転車も商品は前にのけるみたい。子供のシートも、アメリカ、ドイツ、スイス、などなどでよく見る後ろに取り付ける型は見かけませんでした。前に乗っけて、親は子供を見ながらペダルをこぐのです。


こんなかんじです。ちょっとレトロな自転車の前方部には乳母車のような物が着いています。中には子供が2人乗っていました。

Apple の "Think Different" コマーシャル

12年前、Apple 社が一番元気がなかった時、 Steve Jobs が社運の復興をはかりました。それで始まったのが、この伝説的とも言えちゃう広告シリーズです。いろいろなポスターが出ましたが、このコマーシャルはやはり原点だと思います。人と違うこと、オリジナルでいることを、その孤独や暴走というダークな部分に目を背けずに、ここまでポジティブに表現できるなんて。



2007年、2008年に新しいバージョンが作られたそうですが、一度に貼付けるとくどくなりそうなので、また今度。

ちなみに、ナレーションはこんな事を言っています。和訳(かなり意訳ですが)もしてみました。

”Here’s to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. The round pegs in the square hole. The ones who see things differently. They’re not fond of rules. And they have no respect for the status quo. You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them. About the only thing you can’t do is ignore them. Because they change things. They push the human race forward. And while some may see them as the crazy ones, we see genius. Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.”

”クレイジーな人たちへ捧ぐ。はじけもの。反抗者。問題児。丸い穴にさし込まれた四角なくい。物事を違う視点から見る人。ルールを嫌い、現状維持はかまわない。そんな彼らに、続くことも、背くこともあるだろう。英雄として美化する事も、悪に仕立てることもできる。ただ、無視する事だけは、できない。彼らは世界を変え、人類を前に前にと押していくから。クレイジーな人と呼ぶ人もいるけれど、私たちは、ジーニアスと呼ぶ。世界を変えられると思うほどクレイジーな人にしか、世界は変えられないのだから。”

Brandi Carlile’s “Fall apart again”

ハスキーボイスがかっこいいシアトル出身のシンガーソングライターです。この曲でブレイクしたような記憶が...今は、結構知られた存在という噂も。こんな歳で、こんなかわいい顔して、Johnny Cash の "Folsom Prison" なんて歌っちゃうみたいですよ。


そう、この子のバンドメンバーには双子の男の子がいます。鏡じゃないですよ。

Thursday, January 22, 2009

Tord Boontje's "Little Field of Flowers"


家具デザイン大好きなんですが、眺めてるか試してみるだけで満足で手に入れたいと思う事は少ないのです。でも、これにはすっかりやられてしまいました。Tord Boontje の "Little Field of Flowers" カーペットです。フエルトで出来た葉っぱや花々が敷き詰められていて、そのアイデアにも美しさにも、もう、完全にノックアウトです。

地球外生物のいそうな星


Enceladus は、土星の6番目に大きな月です。温暖な環境のうえ、水、有機物質(炭素、水素、窒素、酸素)が存在するから、太陽系で一番地球外生物のいそうな星に選ばれました。氷で包まれた、美しい星です。
詳しくは、Wired サイトのこの記事をどうぞ。

Wednesday, January 21, 2009

The Boom の ”中央線”

この曲、実は中央線を使って通勤通学している人にあまり知られてないって本当ですか?
私はこの歌を知ってずいぶん経ってから、中央線に乗る機会がありました。なんだかちょっと感動だったのを覚えています。(笑)

Tuesday, January 20, 2009

アメリカで過ごしたかった日:a day I wanted to be in the US

数年前まで、10年以上アメリカ合衆国に住んでいました。アメリカが好きでアメリカ人になりたくて渡米した訳ではなく、でも10代からどっぷりとアメリカ社会に浸かって暮らしていました。
外国人として暮らすのは不思議な国です。誰でも受け入れるという建前と、異邦人(直訳してみました。エイリアンなのです、正式な呼び名は。)への懐疑心と排斥感あふれる本音と。建前でがんじがらめであたりさわりないかと思えば、時にはいやらしいほどストレート。そういう面が、住めば住むほど目につくようになりました。偽善と傲慢に感じた事もありました。それは、9/11後の外国人にはちょっと辛かった時期だった事も大きいと思います。
だから、今回の大統領選挙の結果には救われたものがあります。人種差別と性差別は、アメリカの建前と本音が最も歪んでいる面に見えてました。アフリカ移民二世の、ミドルネームがフセインな、黒人に分類される候補者が選ばれたとき、ああ、アメリカは、虚像ばかり掲げているのではないのだと、少しだけ証明されたような気がしたのです。


今はヨーロッパに住んでいて、アメリカが恋しい事はそんなにはないのですが、あの11月4日は、彼の地でその臨場感に浸りたかったです。そして、選ばれた新大統領着任の今日も、直に体験してみたかったです。これから先どういう方向に展開するにしても、この瞬間の価値は変わらないです。
この大統領選は、インターネット戦略が盛んでした。趣向を凝らしたサイトがたくさんありましたね。特にこのページはお気に入りでした。選挙が進むにつれて、答えがかわるのです。"Is Obama President?" 11月3日の答えは、"Almost." もちろん今日は、"Yes."

To visit the webpage, click here: http://isobamapresident.com/

自分で作るウクレレ

ううーん、作ってみたい...


こちらでお求めになれます。Brooklyn 5+10 
$40だそうです。

Monday, January 19, 2009

TED talk by Phillipe Starck: "Why Design?"


デザイン界の奇才、等、面白いニックネームを付けられがちな Phillipe Starck。気取らない人柄は、デザインからも、話している姿からも、にじみ出ています。代表作は、例えばこれ、ルイ ゴースト チェアー。遊び心がありますね。



そんな彼が、なぜデザインをするのかついて語ります。



要約すると、「人は変化を免れない生き物であり、時には間違いを冒してしまう事もある。そんな頼りのない存在として唯一救われるのは、前向きに創造豊かに毎日を生きていく事なのではないか。」と、いったところでしょうか?

Sunday, January 18, 2009

Stockholm の地下鉄 (Vol. 3)


いくつか見て回った駅の中でも特に関心したのはこちら。
きれいな配合のパステルカラーで色とりどりに何かが書かれているのです、壁一面に。




これ、地図と年表みたいなんです。歴史をおって代表的な国や人の存在した時代を記してあるんですね。


しかも、どの地域に属するのか、カラーコードになっているみたいです!

歴史や地理好きにはたまらないインストレーションです。力作です。

Saturday, January 17, 2009

リメイクの愉しみ "Such Great Heights"

同じ曲を違うバージョンで聴くのは、おもしろいですね。個人のスタイルが、とてもストレートに比較できるので...

"Such Great Heights" は、2004年にはまってよく聴いてました。”Garden State”という映画の予告編で使われていたのです。



この映画、若手俳優の Zack Braff(人気コメディー ”Scrubs” で主演してました)の初監督作品ですごく小規模で公開だったのですが、くちこみとトレイラーの魅力でぐんぐん人気が出て全国放映に発展しました。使われている曲は何だ、と、問い合わせが殺到したらしいです。この映画のシンデレラ ストーリーを支えたこの曲の威力はなかなかのものです。

さて、オリジナルは(たぶん)この人たちのです。Postal Service は Death Cab for Cutie というグループがエレクトロミュージックをやるとき用の別名らしいです。確かに、スタイルは違うけれど声が同じです。



そして、数あるバリエーションの中でも特にいいな、と思うのは、Ben Folds のリメイクです。

Thursday, January 15, 2009

踊る旅人

無性に旅に出たくなる事はありませんか?こう、首の根っこあたりがむずむずしてきて、列車や飛行機が離れていく姿に意識が吸い込まれていく。
世界中、見たことない事を見て、会ったことない人に会ってその人たちの暮らしぶりを肌で感じてみたい。子供の頃、地理大好きでしたしね(今でもです、笑)。本当の冒険家になるほどは度胸ないのですが、未知の国への好奇心はいつも渦巻いてます。
旅に出たい病にかかっている人は多そうだと見受けられるのは、このビデオが大人気になったからです。企画が面白いからだろうけど、やっぱり、こんな風に世界各地で踊ってみたい、と思っちゃうんですよね、きっと。



制作者/ダンサーのマット君についてもっと知りたい人は、こちらへどうぞ。

"Where the hell is Matt…?" http://www.wherethehellismatt.com

この人も、生来の冒険家タイプではなさそうです。ソフトウェア エンジニアだったみたいですが、旅に出たくなりある日仕事を辞めてアジアを渡り歩いたそうです。このダンス アイデアにスポンサーがついて、今は 踊る旅人専業とか。

Wednesday, January 14, 2009

GAP Audrey Hepburn コマーシャル


Audrey Hepburn Gap Commercial -

なんとなく、下の VW の CM に重なるものがある、ギャップのコマーシャルです。これもなかなかいいでしょう?

Volkswagen の singing in the rain コマーシャル



コマーシャルのなかには、心に残る映像やアイデアがあるものがありますよね。これはそのひとつ。フォルクスワーゲン社のゴルフGTIのCMです。”雨に歌えば” の映像をアレンジして作られたこのビデオ、見る度に思わず顔が緩んでしまいます。

Tuesday, January 13, 2009

アムステルダム国立美術館

今回のアムステルダム行きは美術館巡りが目的だったのですが、それというのも私オランダ絵画がとても好きなのです。現代美術以前のイギリスやフランスの絵画は、貴族階級や政治家、宗教家、何らかのステイタスがあるモデルがすましてポーズをとっている絵が多いのですが、オランダからのものでは一般市民が普通に笑っている(にんまり、といった感じで)。家事や農作業など忙しく働いている場面もよくあります。そういうテーマの方が、思いを馳せやすいのは私だけでしょうか?


そこで行ってきました、アムステルダム国立美術館。ゴッホ ミュージアム、現代美術館、そしてコンサート ホールが一堂に集まっている芸術広場の真ん中にあります。絵画の他にも、昨今元気のいいダッチ デザインも観たかったのですが、改装中でそちら半分は閉まっていました。残念です。何でももう何年も改装中らしいです。

でも、開いている一部の常設展だけでも見応えは十分でした。やっぱりね、期待通りです。大きな教会の中を描いた絵がいくつかあったのですが、メインは尊厳な僧侶などではなく、彫刻家が頑張って像を設置している所だったりします。(笑)評判通りの迫力のレンブラントの”夜警”もあったけど、個人的には、フェルメールがいつまでも後を引く美術館でした。


ヨハネス 又は ヤン フェルメールは、白と青の焼き物で知られたデルフトという街で活躍した17世紀の画家です。凝り性で、遠近法などに気を使ってゆっくりと一枚一枚丁寧に描いたそうです。光の捉え方も見事らしいのですが、色の出し方もよく研究したようです。高価な絵の具(ラピスラズリなど)もかまわずにふんだんに使い借金に陥った、というのは大げさな話だと思いますが、確かにびっくりするほど鮮やかなのです。時代を考えると特に、あんな色を出した人は他にはいなかったのではないでしょうか。彼の”牛乳を注ぐ女”や近所を描いた”小路”を観たのですが、その色使いは弾けるように新鮮でした。かなりの間見とれていたように思います。牛乳の注がれる音が聞こえてきそうなくらい、存在感があるのです。(笑)


フェルメールと言えば、「真珠の耳飾りの少女」がよく知られています。同名の小説は、フェルメールの人生をベースに、絵心がある架空の召使いの女の子が彼に感化されながら大人になる、なかなか素敵なお話です。映画化もされてましたね、コリン ファースとスカーレット ヨハンソン主演で(個人的には本の方がお勧めです)。この絵、私はニューヨークのメトロポリタン美術館でみたような気がするのですが、ハーグの美術館所蔵らしいです。あれ??


そうそう、フェルメール以外で印象に強く残っているのは、ドール ハウスです。おもちゃじゃないです、あそこまでいくと。いくつも部屋があるお屋敷(かなり大きいです)が、細部まできれいに再現されています。洗濯部屋まであったりして、さすが、民衆美術の国!(笑)そんな、さりげない生活感がたまらない美術館です。

Stockholm の地下鉄 (Vol. 2)



ストックホルムの地下鉄、第二弾です。


中にはテーマが「?」なものもありましたが、



「うん、この駅を使って暮らしたい!」と、思わせてくれるものもありました。

Monday, January 12, 2009

Amy Walker’s "21 Accents"



you tube で見つけたビデオ。女優(表情の激しさからするに舞台女優さんかと思われます、笑)のAmy Walker が、21種類の英語のアクセントで自己紹介してくれます。
日本語は方言が豊富でアクセントも多様ですが、英語も負けてないと思います。他の言語を話す人の英語の発音も、独特のアクセントですし。この人、きっとこの倍ぐらいの持ち技がある可能性大。というのも、比較的簡単な、インド人とか日本人のアクセントを含めてないからです...

Sunday, January 11, 2009

Benjamin Zander, クラッシック音楽の魅力を語る

TED という、各分野で活躍する人達が集まって、ちょっといい話、又はより多くの人が知るべきメッセージを発表する企画があります。
Technology, Entertainment, Design の略で、1984年に立ち上げられた当初はこの三つの分野に限られていたようですが、今はいろいろな専門家が参加しています。キャッチフレーズは "ideas worth spreading(広める価値があるアイデア)”。その通り、広めるべきトークが多いので、このブログでもときどき取り上げていきます。



第一弾はクラッシック音楽家の Benjamin Zander。演奏家として活躍する傍ら音楽理論を研究し、その上クラッシック音楽を広めるべく活動している彼が、誰もがクラッシックを好きになると信じるその理由を、面白おかしく熱く温かく語ります。タイトルは、"Classic music with shining eyes (クラッシック音楽と輝く瞳)" です。

Bugs Bunny's What's Opera, Doc?



Warner Bros の Looney Tunes シリーズの大作、” What's Opera, Doc? ” はオペラに行ったことがある人にはたまらない作品です。ほんと、こんな感じなんですよね、テンポとか話の展開とか。特にワーグナーの "タンホイザー”と”ニーベルンゲンの歌” をパロディーしたらしい。1957年、Chuck Jones 作です。

Stockholm の地下鉄 (Vol. 1)



スウェーデンの首都ストックホルムは、人口80万(近郊を含めると200万)の北欧で一番大きな都市です。いくつもの島と湖から成り、都会なのに自然が身近に感じられて住み心地がよさそう。割と信頼できる(これ、世界的には珍しいのですよ)公共交通システムがくまなく広がっていて、歩きやすい街です。




地下鉄の初乗りはとても値が張るのですが(500−600円)、線によっては駅全体がアートワークになっている所があって、おすすめです。途中下車して回るのも楽しいですね。



やっぱり北欧って物価が高いんだなあ、そういう意味では暮らすの大変そう、とストックホルム在住の友人に訊いてみたところ、定期券などはかなりお得らしいです。なるほど...

Saturday, January 10, 2009

Ernst Haeckel's "Art Forms in Nature"


私の生業は生物学者です。生物学は、物理学や数学と比べて’ソフト’なサイエンスだと言われます。どういう意味でソフトなのか、その理由の一つはきっと、主観が入りやすい事だと思います。客観が最も大切な科学のなかでは、異色というか、異端というか、半端になってしまう。特に、視覚的データが多い分野では、観ようと思っている事しか見えない解析でのジレンマが横行しています。ありのままを、すべてに注意を払って観察するのは、簡単なようで実はとても難しい。時間もいるし、忍耐もいるし、自分の仮説も何もかも忘れてただひたすら観る、被写体への興味と敬意がなくてはできないのです。


そんな観察能力は、速さとインパクトを求めてやまない今の生物学の風潮では、残念ながらまったくと言っていいほど軽んじられているのですが...でも、定説を覆すようなほんとに面白い仕事には、偏見や前提かまわずの観察がきっかけとなったケースが多いのも確かです。


丁寧にものを観る力、それをひしひしと感じるのは、Ernst Haeckel (エルンスト ヘッケル:1834−1919)の観察記録です。比較解剖学の研究で、いろいろな動物や植物の器官を記録していくうちに、進化(種の発達)と発生(個体の発達)が似ている事に気がつきました。それがいわゆる ”反復説(個体発生は系統発生と同様の過程をたどる:ontogeny recapitulates phylogeny)"というやつです。今でもそうと知られず中学校の教科書にも出てきたりするこの説は、実はずいぶんと長い間ダブーと見なされています。なんでも、この説を通したくて、ついつい(?)観察が偏ってしまったとか (下の図参照ー胎児の発生過程があまりにも魚っぽすぎます)。偽造の疑惑をかけられてしまいました。ヘッケルほど観る力があってこうなのだから、大抵の生物学者がどれほど危ういかは想像できると思います。


ちなみに、このタブーに、間違えている所をきちんとただしたうえで再び日の光を当てたのは、若き日の Stephen Jay Gould(スティーブン ジェイ グールド:1941−2002)です。この一般向けのエッセイなどでも有名な進化学者は、まだ駆け出しの頃大著 "Ontogeny and Phylogeny" をしたため、反復説を半分否定したものの、個体発生と系統発生(平たく言うと、成長と進化ですね)には強い繋がりがある事を改めて提唱しました。大抵の同僚は、初めは『止めとけ、自殺行為だ』といっていたそうですが、頭ごなしに否定していると見失ってしまう明確な繋がりに、グールドの目を通して気がついたのです。

思い込みって、怖いですね。研究でも、日々の生活でも、気をつけていきたいです。

ちなみに、ヘッケルの画集、 "Art Forms in Nature" はこの上なく美しいです。自然愛好家のみなさん、是非ご覧あれ。

Friday, January 9, 2009

IKEA HACKER

IKEAの家具はシンプルなので、自分独自の家具を作る材料として最適です。よって、"IKEA hack”、ようするにIKEAの家具をのっとってしまう行為が促されるわけです。私もやってます、いろいろ。一番重症なのは、緑の掛け布団カバーのセットを使ってラグを作ってしまったことでしょうか。小さく刻んでですね、編み目の下地に結んでいくのです。時間が恐ろしくかかりました...できあがりは、まあまあです。芝生を真似た事にちなんで、『my grass is greener rug』と呼んでいます。

皆さんもIKEAで改造生活を楽しんでいるようですね。詳しくは、このページ、IKEA HACKERなどをご覧ください。これなんかいいですね。ローテーブルを探しているのですが、こんな感じで作ってしまおうかな。参考になります。

Thursday, January 8, 2009

IKEA

イケア、アイケヤ、イケヤ、国によって人によって読み方は違うようですが、そのお店で買える物は万国共通です。(笑)そう、今やグローバル企業の代表格、家具屋のIKEA。日本には一度進出、撤退、そしてつい最近再進出をしています。(何でも、家具のサイズが日本の家には大き過ぎるのでは、という懸念があるとか。)スカンジナビア特有のシンプルデザインで、組み立て式で運送簡易、しかも値段はお手頃。そりゃあ人気がある訳です。(品は良くないという批判もありますが、値段を考えたらしかたないような。)

私はIKEA大好きです。そのままでも使うし、自分なりにアレンジしたものもあります。デザインも好みの物がよく見つかるし...以下は今気に入っている商品とそのデザイナーです。

TROLLSTA (Hanna Brogård)

STOCKHOLM series BLAD (Maria Åström)

IKEA PS SVINGA (T Christensen/K Legaard)

BÄSTIS (Monika Mulder)

ちなみに、私は違う国の物価を比較したいときはIKEAのカタログを見ます。同じ事をマクドナルドのビッグマックの値段でよくするらしいですが(’ビッグマックインデックス’というそうな)、IKEAの場合何百もの品物を一気に比べられるので便利です。(笑)

Sly & the Family Stone's "Everyday People"


1968年の曲だそうです。今聴いても新鮮ですね。ただいまマイヒット中です。
激動の時代に、人種差別紛争を乗り越えるメッセージを歌ったらしいです。このバンドは、サイケデリック/ファンクに分類されるそうです。

Tanya Davis

Tanya Davis は、カナダ、ノヴァスコシア出身のシンガーソングライターです。詩を書く事からはじめて曲を作り歌う事になったそうですが、確かに歌詞がいい。my space でも聴ける"the drums" は、リズムをつけて読んでる詩みたいです。最新アルバム”Gorgeous Morning”、そのタイトルソングはじーんときました。下に貼付けてあるのは、シングルカットにもなっている"Art"です。

etsy


手作りの物を作った人から直接買うことができるサイト、その名もetsy。編み物、縫い物、焼き物、アクセサリー、絵画...小規模で活躍するアーティストやデザイナーが作品を紹介、売買するのに最適なシステム。売るのも買うのも簡単にできます。そのうえ、オリジナルのデザインを実現させてくれる工芸家を見つけるコーナーなんかもあって、楽しみ方はいろいろ。スタイルは様々、世界中配達OK。今まで教えてあげた人は皆はまってしまいました。
商品が届くと、手書きのお礼のカードが入っていたりして、ネット購入なのに人とのふれあいたっぷりなのです。

http://www.etsy.com

Tuesday, January 6, 2009

Objectified



生活とデザインに関するドキュメンタリー映画、"Objectified"(日本語に無理矢理訳すると『モノにする』でしょうか。個人的には意訳で『モノごころ』あたりがいいような気がするけれど...)のトレイラーです。うーん、楽しみだ〜、観たいな〜、でもアメリカ以外では無理そう...どうでしょう?2009年春公開らしいですが。

Monday, January 5, 2009

Enigma "Return to Innocence"



この曲は10年以上も前に深夜放送の音楽番組で知りました。ミュージックビデオでここまでホーッと見とれたことはその前もその後もなかったです。中央アジアの農村(?)で、おじいさんの人生がフラッシュバックされる。その一面一面がとてもきれいで、泣いてしまいそうになったのは、私だけでしょうか?(笑)

nendo

初めてNENDO、こと佐藤オオキさんの作品を見たとき、ドキッとしました。それは『リボン』と呼ばれたスツールで、青、黄色、ピンクのきれいな細い線が絡まって足になっていました。繊細さの中にのぞいた遊び心に、思わずノックアウトされてしまったのです。それから他の作品も気になり探索してみると、次から次へと出てくる訳です、そう来たか〜!、と思わせてくれるデザインが!


例えば、地面に吸い込まれたかのような家具の端々が、用途の違う家具になっている『sinking about furniture 』。それは「各種の家具の使い道の可能性を、すこし形を変えることによって考え直してみよう」、という問いかけを含んだ、頭のマッサージをしてくれるインストレーションでした。


日常の中に隠れている「!」を引き出すようなデザインを心がけている、というNENDO。これからも活躍が楽しみです。

For more information, go to: http://www.nendo.jp/

サザンの”慕情”

サザンオールスターズはときどき無性に聴きたくなります。夏の風物詩だそうですが、私は大晦日のサザンも思い出深いような...いろいろ好きな曲はあるけれど、なかでもこれ、”慕情”は大好きです。この曲がじーんとしみる日があるのですね、ときどき。そういう日も悪くないです。

Sunday, January 4, 2009

Harold Edgerton

Harold Edgerton (1903-1990) の本業は電気工学者です。実験室で機械の動きなどを観るために使われていたストロボスコープを日常生活の物体に向けて 瞬間写真を撮りました。液体のとる形や(例えばミルクが落ちてできた王冠)、弾丸が何かを突き抜ける瞬間。題材の美しさももちろんあるけれど、科学的記録にありがちな無機質さを超えた魅力に溢れている作品が多くて、彼は芸術家でもあったのだな、と思います。