Tuesday, January 13, 2009

アムステルダム国立美術館

今回のアムステルダム行きは美術館巡りが目的だったのですが、それというのも私オランダ絵画がとても好きなのです。現代美術以前のイギリスやフランスの絵画は、貴族階級や政治家、宗教家、何らかのステイタスがあるモデルがすましてポーズをとっている絵が多いのですが、オランダからのものでは一般市民が普通に笑っている(にんまり、といった感じで)。家事や農作業など忙しく働いている場面もよくあります。そういうテーマの方が、思いを馳せやすいのは私だけでしょうか?


そこで行ってきました、アムステルダム国立美術館。ゴッホ ミュージアム、現代美術館、そしてコンサート ホールが一堂に集まっている芸術広場の真ん中にあります。絵画の他にも、昨今元気のいいダッチ デザインも観たかったのですが、改装中でそちら半分は閉まっていました。残念です。何でももう何年も改装中らしいです。

でも、開いている一部の常設展だけでも見応えは十分でした。やっぱりね、期待通りです。大きな教会の中を描いた絵がいくつかあったのですが、メインは尊厳な僧侶などではなく、彫刻家が頑張って像を設置している所だったりします。(笑)評判通りの迫力のレンブラントの”夜警”もあったけど、個人的には、フェルメールがいつまでも後を引く美術館でした。


ヨハネス 又は ヤン フェルメールは、白と青の焼き物で知られたデルフトという街で活躍した17世紀の画家です。凝り性で、遠近法などに気を使ってゆっくりと一枚一枚丁寧に描いたそうです。光の捉え方も見事らしいのですが、色の出し方もよく研究したようです。高価な絵の具(ラピスラズリなど)もかまわずにふんだんに使い借金に陥った、というのは大げさな話だと思いますが、確かにびっくりするほど鮮やかなのです。時代を考えると特に、あんな色を出した人は他にはいなかったのではないでしょうか。彼の”牛乳を注ぐ女”や近所を描いた”小路”を観たのですが、その色使いは弾けるように新鮮でした。かなりの間見とれていたように思います。牛乳の注がれる音が聞こえてきそうなくらい、存在感があるのです。(笑)


フェルメールと言えば、「真珠の耳飾りの少女」がよく知られています。同名の小説は、フェルメールの人生をベースに、絵心がある架空の召使いの女の子が彼に感化されながら大人になる、なかなか素敵なお話です。映画化もされてましたね、コリン ファースとスカーレット ヨハンソン主演で(個人的には本の方がお勧めです)。この絵、私はニューヨークのメトロポリタン美術館でみたような気がするのですが、ハーグの美術館所蔵らしいです。あれ??


そうそう、フェルメール以外で印象に強く残っているのは、ドール ハウスです。おもちゃじゃないです、あそこまでいくと。いくつも部屋があるお屋敷(かなり大きいです)が、細部まできれいに再現されています。洗濯部屋まであったりして、さすが、民衆美術の国!(笑)そんな、さりげない生活感がたまらない美術館です。

No comments: